
診療内容
小児眼科、近視・弱視治療
小児眼科は、主に小学生までのお子様を対象としており、小児によく見受けられる眼症状(弱視、近視、遠視、乱視、斜視など)の診察・検査・治療を行います。
特に6歳までのお子さんは、将来的な視機能が決まる大事な時期で、斜視や弱視といった病気を早期に発見することが大切になります。
お子様の目に関して、専門的なチェックを受けたい、気になることがあるといった場合もお気軽ご相談ください。

小児眼科
小児の近視治療
点眼薬
点眼薬により目の緊張をほぐし、遠くの方を見ているのと同じ状態にします。
薬が効いている間は近くのものが見づらくなるため、必ず就寝前に点眼します。
近業作業やテレビやゲームのやりすぎなどで急に近視が進んだ場合などに特に効果的です。
低濃度アトロピン点眼(マイオピン)[自費診療]
低濃度アトロピン点眼とは
低濃度アトロピン点眼は、小児期の近視進行を軽減させることを目的に、アトロピン0.01%を配合した点眼液です。研究に基づいて開発された薬です。
海外で近視進行抑制の効果が報告されている治療法です。近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年継続して使用することで何も使用しない場合と比べて近視の進行を40%軽減させるといわれています。

低濃度アトロピン点眼の対象
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主に6歳~18歳の年齢の方が治療対象となります。
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オルソケラトロジーレンズとの併用も可能です。
オルソケラトロジー[自費診療]
オルソケラトロジーは、寝るときに専用のコンタクトレンズを装用して、角膜の形を矯正する治療法です。就寝前にレンズを装着することにより日中は眼鏡、コンタクトレンズなしで生活することができます。
レーシック手術と異なり、レンズの装用を中止すれば、角膜の形状は元に戻りますので、安心してお使いいただけます。

WOC(ワック)
機器の中に映し出される景色の画像を5分間見ているだけで、遠くの風景を長時間眺めているのと同じ効果があります。
水晶体の厚みを調節している毛様体筋の緊張をほぐし、動きをスムーズにしていきます。

眼鏡の作成
裸眼視力0.7以上では教室の一番後ろから黒板の字が見える視力なので、眼鏡装用はまだ必要ありませんが、必要に応じて眼鏡が必要になることがあります。
裸眼視力が0.3~0.7になると、席を前の方にしてもらう必要があり、0.3以下では眼鏡が必要になります。
小児眼科
弱 視
弱視とは
弱視とは、片目または両目の視力障害のことです。
弱視は眼鏡などで矯正しても十分な視力を得ることができない状態で、大人になってから治療しても視力を得ることはできません。
弱視治療のタイミング
弱視の場合は、視力が発達するできるだけ早い時期に適切な治療を受けることで治療効果を期待できます。3歳から治療をスタートさせることが理想ですが、6~7歳くらいまででしたら治療効果を得られるケースが多くなっています。
弱視の治療
弱視治療用の眼鏡をかける治療を行います。
片方だけ弱視がある場合は、医療用のアイパッチでよく見えている方の目を隠すことで、弱視のある目を積極的に使って見る機能の発達を促すなどの治療を行うこともあります。
小児眼科
斜 視
斜視とは
通常、両目の視線は見つめる対象に向かって揃いますが、片目の視線が対象からずれている状態が斜視です。
右目と左目の向いている方向がずれている状態です。
斜視治療のタイミング
視力が発達する6歳までの間に斜視があると、片方の目ではものをしっかり見ることができずに視力の発達を妨げることになります。
例えば、立体感は両眼で見ることによって知覚できるものですが、斜視の場合は片方の目だけで見ることになって立体視の知覚が育たないことがあります。斜視に気付いたら、早めに治療を開始しましょう。
斜視の治療
斜視矯正用のプリズム眼鏡を使用しますが、眼を動かす筋肉を調整する手術を検討する場合もあります。
ただし、手術をしても元に戻ってしまう可能性もありますので、慎重に検討が必要です。
小児眼科
学校検診について
学校の眼科検診(視力検査)では、A~D判定の4分類で評価されます(370方式)。
A判定以外は、近視、乱視、遠視、弱視などの病気が関わっていることもあるので、早めに眼科を受診しましょう。
[370方式による視力の判定]
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A判定(視力1.0以上)
教室の一番後ろの席からでも黒板の文字を楽に読めます。
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B判定(0.7〜0.9)
学校生活にはほとんど支障がない見え方です。
軽度の視力低下がありますので、近視などの病気の有無を調べるために眼科受診をおすすめします。
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C判定(0.3〜0.6)
教室の後ろの方の席では黒板の文字が見えづらいため、眼科受診が必要です。
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D判定(0.2以下)
教室の最前列でも黒板の字が見えづらいため、眼科受診が必要です。